橙~紅色をした透明感のあるスンナリヨコエビ。体色の濃さは個体差がある。
和名は、同定形質でもある、第1咬脚底節板の角が丸くなることに由来している。神奈川県と和歌山県から報告がある。水深1-10mの海藻中に出現し、しばしば同属のトウヨウスンナリヨコエビ(O. brevispina)と同所的にみられる(Ariyama, 2018)。
似た体色のスンナリヨコエビは他にも複数種が知られている。中でもホソベニスンナリヨコエビ(O. obliquua)は第2咬脚の形が似ており、同定のさい注意が必要である。
第1咬脚底節板の前腹側の角は丸い(G1, 黒矢印)。第2咬脚前節(第6節)の Angle of palmar corner が大きく、掌縁が斜めになる(G2)。底節板遠位部の棘は短くない(T, 白矢印)。
※底節板遠位部の棘の長さは、本属の種を同定するときに用いる特徴のひとつである。マルカドスンナリヨコエビのホロタイプ(male, 6.6㎜)では、底節板遠位部の棘の長さは底節板の長さの45%だが、図1の個体では35%ほどだった。底節板の棘は短いものの、他の付属肢の形態は概ね一致したため、マルカドスンナリヨコエビと同定した。