図1a:ホソベニスンナリヨコエビ 抱卵雌 体長6.7㎜
図1b:ホソベニスンナリヨコエビ 小型雄 体長4.9㎜
2022年8月大阪 潮間帯下部 磯の砂利場の転石下から採集
体長はオス10㎜、メス11㎜ほど。体色は明るい紅色で、全体的に透明感が強い。頭の前部背縁に白斑をもつのが特徴。潮間帯下部の転石下に生息し、大阪府と和歌山県から知られている(有山, 2022)。
和名は第2咬脚の掌縁の角度が斜めで、細長く見えることから(Ariyama, 2018)。
図2:♀第1,2咬脚、尾節板 (図1aの個体)
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近縁種との比較
近縁種との比較
体色が似ているスンナリヨコエビは複数種いるため、同定には注意が必要。同所的に出現するフトベニスンナリヨコエビ(O. decipiens)とは第2咬脚の形で識別できる(大阪湾海岸生物研究会のブログ)。
マルカドスンナリヨコエビ(O. rotundicoxa)はホソベニスンナリヨコエビと同様、第2咬脚の掌縁の角度が緩やかだが、第1咬脚底節板の角が丸くなることと、尾節板末端の棘がより長いことから識別できる。
<参考>
・Ariyama H (2018) Species of the Maera-clade collected from Japan. Part 1: genera Maeropsis Chevreux, 1919 and Orientomaera gen. nov. (Crustacea: Amphipoda: Maeridae). Zootaxa, 4433 (2), pp. 201-244.
・有山啓之(2022)ヨコエビガイドブック. 海文堂出版株式会社. 158pp.