Amphipoda 端脚目>Senticaudata亜目>Caprellidae ワレカラ科
図1a：ヒメワレカラ♂ スケールは3㎜
2021年12月神奈川 岩礁域潮下帯
ホンダワラ属葉上に生えたヒドロ虫群体から採集した
体長7㎜以下の小形種で、半透明～白色のワレカラ。頭部に棘はなく丸い。第1触角は体長の1/2～2/3程度の長さ。第2触角鞭部は2節。第2咬脚前節は非常に大きく卵形。第2胸脚基部の間（腹面）に2本の棘がある。
熱帯から温帯域に分布し、日本では房総半島以南の外洋に面した岩礁域にみられる。タイプ産地は中国の廈門（アモイ）市。ヒメワレカラ属（Hemiaegina）は本種のみを含む1属1種である（WoRMS、2021年12月閲覧）。
図1b：抱卵♀ スケールは1㎜
採集日、場所は図1aと同じ
覆卵葉は半球状に膨らみ、真上から見ると正円に見える（図1c、図2a）。雌は雄より小さく、体長は4㎜に満たない。
図1c：成体♀とヒドロ虫群体（軟クラゲ目？）
色も形もヒドロ虫そっくり
ホンダワラ類基部やコケムシ群体上などでもよくみられる。
図2a：成体♀の右第3・4胸脚
雌雄とも鰓の基部に1節の非常に小さな第3・4胸脚をもつ。成熟した雌の第3・4胸節は癒合する。
図2b：腹部腹面
ヒメワレカラは雄も雌も腹部に2節の付属肢をもつ。
＜参考＞
・Ishitaro Arimoto (1976) Taxonomic Studies of Caprellids (Crustacea, Amphipoda, Caprellidae) Found in the Japanese and Adjacent Waters. Special Publications from the Seto Marine Biological Laboratory, Ⅲ, 229pp.
・竹内一郎（1995）ワレカラ亜目. In; 西村三郎. 原色検索日本海岸動物図鑑[II]. 保育社, pp.193-205.
・WoRMS - World Register of Marine Species - Hemiaegina Mayer, 1890. 最終閲覧日2021年12月26日.