Amphipoda 端脚目>Senticaudata亜目>Maeridae スンナリヨコエビ科
図1:Elasmopus koreanus ♂
2022年3月神奈川 スケールは3㎜
岩礁域潮下帯のヒジキ根元から採集
種小名の通り韓国沿岸で記載された種で、ホロタイプの雄は体長12.9㎜。頭部~尾部にかけて背面に細毛(0.05-0.1㎜くらい)が散在する。以下の写真(図2a,c-e)は図1個体のプレパラート封入後の写真である。
図2a:副鞭
副鞭は2節で、末節は非常に小さい。
図2b:第1-3腹節板
第3腹側板後縁は尖らず、丸く突出する(白矢印)。
図2c:第1-3尾節(スケール0.5㎜)、尾節板(スケール0.1㎜)
第3尾肢内肢は外肢のおよそ80%の長さ。尾節板は幅より長さが短く、中央が深く切れ込む。尾節板の葉の先端の切れ込みは浅く(黒矢印)、先端に長さが不ぞろいな3本の棘をもつ。
図2d:雄第1,2咬脚
雄の第2咬脚前節後縁には短い刺毛が並ぶ。掌縁は長く、中央に丸い突出がある(赤矢印)。
図2e:第4-7胸脚
第6,7胸脚の基節後縁は滑らか(青点線)。本種は第5-7胸脚前縁の刺毛がとても長くなる。第7胸脚長節前縁角に生える刺毛が長節の幅より長い(赤矢印)。
ーーーーーー類似種との識別ーーーーーー
イソヨコエビ属は互いに非常によく似ている。本種は E. mutatus に最もよく似ている。
・E. mutatus J.L. Barnard, 1962:E. koreanus と比較して①第1,2触角に生える毛の密度が高い②雄の第2咬脚掌縁に明瞭な歯をもち、後縁に生える毛の密度が高い③第3尾肢内肢が細い
※E. mutatus の図はこちらのpdfに載っています。
<参考>
・Kim W and Kim CB (1991) The Marine Amphipod Crustaceans of Ulreung Island, Korea: Part Ⅲ. The korean Journal of Zoology, 34, pp. 323-337.
・Nakamura Y, Nakano T, Ota Y and Tomikawa K (2019) A new species of the genus Elasmopus from Miyako Island, Japan (Crustacea: Amphipoda: Maeridae). Zootaxa, 4544 (3), pp. 395-406.