Amphipoda 端脚目>Hyperiidea クラゲノミ亜目>Brachysceldae ノコバウミノミ科
ノコバウミノミ属(Brachyscelus)のタイプ種。雌は最大体長21㎜、雄は17㎜。暖海性で大西洋、太平洋、インド洋、地中海と世界中に分布しており、比較的個体数も多い。日本では黒潮域でみられる。外洋の海表面~水深300-400mに生息している。
ノコバウミノミ科は、雌は第2触角をもたないが、雄は折りたたみ構造の第2触角をもつことで雌雄を判別できる。ノコバウミノミ雄の頭部前端には突起があるが(追記参照)、この個体の頭部は丸い。小型個体の場合、雄でも頭部の突起は不明瞭であるらしい。雌は成熟しても頭部に突起はなく、丸い。
一見すると雄でも頭部が丸いマルノコバ B. globiceps (Claus, 1879) や B. macrocephalus Stephensen, 1925 に似ているが、第1咬脚腕節や第5・6胸脚の形などが異なる。
第1咬脚腕節(第5節)遠位前縁の角は張り出し、葉状になる。第3胸脚前節(第6節)後縁に細毛列がある。
第5~6胸脚基節(第2節)は幅広い。第6胸脚坐節(第3節)は小さく、基節前縁の葉に完全に覆われる。第7胸脚は小さいものの、7節全てが揃っている。
第2・3尾節の融合節(=double urosome;黒点線で囲った部分)は幅と長さがほぼ同じ。尾節板は幅より長さが長い。第3尾肢の内肢と外肢は幅広く、特に内肢はそれが顕著。
<追記>
「Nob!!の勝手に甲殻類」のブログに体長5.6~7㎜のノコバウミノミが紹介されています。そのくらいの大きさになると雄頭部の突起が明確になるようです。第1咬脚腕節の葉もより伸長しています。
<参考>